19世紀の末。
南イングランドの田舎で材木商を営むメルバリー家の娘グレイス(エミリー・ウーフ)は、女学校を卒業して帰郷した。
彼女は幼馴染で父の下で働くジャイルズ(ルーファス・シーウェル)と子どものころから愛し合っていたが、グレイスの父親は、教育を受けた娘にはほかにふさわしい男がいると考えるようになっていた。
そして彼はグレイスを町に住む医師のフィッツピアース(カル・マッカニンチ)に引き合わせる。
フィッツピアースはすぐにグレイスの美しさのとりこになり、結婚を申し込む。
グレイスは気が進まないながらもフィッツピアース医師の洗練された態度と父親の意向に押され、彼と結婚することに。
しかし夫はやがて田舎暮らしに飽き、街からきた美しい未亡人の傷の手当をしたのをきっかけに彼女と浮気を重ね、やがて出奔。
取り残されたグレイスは、ジャイルズと再び会い、会話をするようになる。
そして二人の気持ちが通じ合った頃、女に捨てられた夫が帰宅。
グレイスは家を飛び出し、嵐の中をジャイルズの元へと走る・・・。
さすがビクトリア朝時代、さすが原作がトマス・ハーディ。
「テス」同様にヒロインはあくまでかわいそう。
そして、馬鹿正直なまでに清廉潔白であります。
亭主が女と逃げたのに、グレイスとジャイルズはプラトニックを貫く。
嵐の中、彼女を迎えたジャイルズは、彼女を家に残して自分は森の作業小屋(といっても吹きさらし)で夜を明かす。
風邪をひいていたわけですね。すでに。
朝になると、肺炎を起こしている。
そして、死。
村を離れるグレイスに、夫は赦しを請いに行きます。
しかし彼女はきっぱりと彼を拒絶する。
・・・・。
もっと早くにそうしていれば。
「テス」を読んだ時もイライラして髪の毛が逆立ちそうでしたが、これも救いのないストーリーでした。
グレイスとジャイルズはさっさと駆落ちでもするべきだった。
と、21世紀のすれっからしのオバサンは思うわけであります。