この記事の最終回です。
彼はそういう状況のためにただ気難しくしているわけではない。彼は自分がもっといい役をやれるのに、と思うような役をこきおろしているだけでもない。むしろ、シーウェルのに止まったこの蜂は、よい俳優であろうとする願望と同じことにとどまり続けている場合ではないということへの認識に執着することを食い止めてくれる。 「僕はただ多様性が必要なだけなんだ。そういうときにこそ、僕は自分がベストの状態にあると思える。それが自分が一種類の役しかできないと感じてしまうことに、こんなにも神経症的で過敏になる理由だと思う。平凡な俳優になるか、さもなければ、たぶん違うものになるかということなんだ」 画一化された役が回ってくるのを避ける唯一の方法は、不幸なことに 「ちょっとの間自主的に失業状態になることだった」 ルーファス・シーウェルであることは、そうはいっても彼をそれほどまでに煩わせることではなかった。問題は、 「自分の人生を面白いものにすることなんだ。エキサイトできることがある限り、ほかに何もなくても僕はハッピーでいられる。何もないことよりも、何も起こらないことのほうに困らせられるということが続きそうなほうがまだマシだ」 それでも、最近になっていろいろなことが起こった。そしてシーウェルは新しく公開されるいくつかの映画に、自分の興味を引く役があることを見出したのだった。 一つは「ホリデー」で、ケイト・ウィンスレットの相手役で、彼はイギリス人俳優の典型の悪役ではない。 「ちがうよ。僕はいろいろ手出しをする、****を今度は演じるんだ!」 と、彼は笑う。 「俳優は誰にも迷惑をかけないように、その役柄については話さないようにというプレッシャーをかけられているんだ。でも僕は基本的に****を演じるんだよ。すごく面白いんだ。全く開放的だったよ!」 そして、また全く異なった血の流れる役もある。 シーウェルは18世紀の時代物の「アメージング・グレース」にも出演する。 そこでは彼は奴隷制反対派の活動家を演じる。 「基本的に、ファンタスティックな意味では彼は悪役だね」 と、彼は言う。 彼はまた、コメディーを演じることも好きだ。しかし、コメディーでもそんなにいい役がしょっちゅう回ってくるわけではないという。 彼はやる時には 「僕は絶対にうまくやるとわからせてやれるんだ」 たとえば昨年のBBCの 「The Taming of the Shrew」 のことである。 「あの役を演じるのはとても好きだった。今までにやったどんな役よりも、僕の実際のエネルギーに近いように思えたからね」 と、シーウェルは語る。 そのキャラクターは、女装してメイクをするという役でもあったが、 「すごく面白かったよ。子供の時にそういう格好をしたことがあるけれど、それとはぜんぜん違った。14歳くらいの時、僕はそういうことにとても興味があったんだ。もしそのままそういう傾向に進んでいたら、女装趣味になっていたかもしれないよ」 少し間をおいて彼は 「そうなっていたかも、と言っただけだからね!」 と付け加えた。 当然ながら、シーウェルが次にやりたいと思っているような役に、彼が束縛されるようなことはないだろう。それが 「たぶんまた、この先3年間は、もう過ぎたことを引き合いに出されるようになるだろうけれどね」 ということになっても。 実際には、彼は自分の仕事を次へのステップとしてしか考えていないというわけではないし、出世街道まっしぐら、という野心があるわけでもない。 彼は今現在、十分幸福なのだ。 そしていろいろな種類の仕事を組み合わせながら選んでいる。 今やっているようなことを彼は今後もやり続けるだろう。そして、同様に重要なことは、彼がやろうとしないことでもある。彼は自分のプロとしての主義を貫くだろう。 「興味を持ち続けることさ。そして挑戦し続けること、それからあきらめることを怖れ続けることだ」 The Big Interview の訳はこれで終わりです。 えーと、次は何だっけ・・・?あ、 New York Times の記事ですね。 The Illusionist 関連はちょっと後でゆっくり見ることにして、私のペースで続けさせていただきます。 (いやーけっこう大変だー)
by mifuyusasa2
| 2006-08-20 16:18
| Rufus Interview
|
ルーファス・シーウェル関係
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