New York Times ご本家の記事は有料になってしまっていましたが、
Tackling life, reluctantly, as a leading man というタイトルで International Herald Tribune, France の記事が同じ内容で閲覧できます。ここ。 写真がないのが残念ですが。 執念深く先入観を持たない刑事を、どちらかというと演じたいと思っていたルーファス・シーウェルにとっては残念なことに、今度公開される「The Illusionist」で、それはありえないことになってしまった。 その映画の監督で脚本家のニール・バーガーは、 「私はこんなふうに言っていたんだ。’ルーファス・・・’」 と、拗ねた子供に基本的なことを教え込もうとする、甘い親のような声を出してみせた。 バーガーによってシーウェルのために用意されていた役は、忍耐力のない皇太子レオポルドだった。 ポール・ジャマッティによって演じられる刑事は、 「もっとクロード・レインズみたいなタイプで」 と、バーガーはニューヨークからの電話で話し続けるのだった。 そして彼は、シーウェルにとっての殺し文句を持ち出した。 「ルーファスは、主役以上の男なんだ」 誰もが、シーウェルが持つ主役としての力強さというような問題を抱えているのかもしない。 彼のような強烈な美貌、フサフサとした黒い巻き毛、大きなへイゼル・グリーンの目を望まず、恐ろしいほどの嫉妬も感じないという俳優がいるだろうか? しかし彼の内部には、そういうものから脱出しようとし、性格俳優であることを望む、今の状況への不適応のようなものが潜んでいる。 それはビッグ・スターダムを避け続けたのと同様の、シーウェルの頑固さであるのかもしれない。 「僕は自分が明らかに俳優であり続けるための唯一のことは、僕が変わることができるという事実だと考えていた」 と、最近シーウェルは語った。 彼は自分のキャリアについて、ステレオタイプとの闘いだったと述べている。 「最初は馬に乗ったジゴロ、次に悪役、それから国王というようにみなされてきたんだ」 多様性についての彼の渇望により、彼は短編やナンセンスな映画、ハリウッド・コメディー、テレビの時代劇、そしてウエストエンドの舞台出演と仕事を続けることになった。 今月アメリカで公開される「The Illusionist」に加え、彼はトム・ストッパードのヒット中の新作「Rock’N' Roll」で、イギリスにおける音楽好きのチェコ人の留学生で、1968年のソビエトのプラハ進行のさなかに帰国するジャンを演じ、幻滅と喪失、そして最終的な希望のドラマを演じている。 神秘的な過去と合理的な未来の間を行きつ戻りつしていた19世紀のウィーンを舞台とした「The Illusionist」 の後には、シーウェルはマイケル・アプテッド監督の映画「Amazing Grace」で奴隷廃止論者トーマス・クラークソンとして登場することになる。 彼はグレーのストレート・ボブのカツラをつけたそうで、 「世界中で、あれほど僕に似合わないものはないね」 と、嬉しそうに言った。 そして彼はナンシー・メイヤーズ監督、12月に公開されるロマンチック・コメディー「Holiday」で、彼の言うところの 「a heel (卑劣なやつとか、ゲスとかいう俗語のようです)」 、つまりケイト・ウィンスレットのおかしくて卑劣な元ボーイフレンドを演じる。 38歳のシーウェルは、今の仕事は確実にあるべきところにある、と語る。全てにおいて。 「僕のキャリアは自分がいつもこうありたいと思っていたあり方でいきなり始まって、 ただ成功したというわけではないんだけれど、そしてこれは僕がいつも突破しようとしてきたことであるんだけれど、いろいろなメディアでいろいろな役を演じようとしてきたんだ。僕は精神的にフラストレーションを感じていた。みんなが実際の僕と違うものを僕に見出そうとしていたからね。そのうち、箱の隅っこに追い詰められていることに気づいたんだ」 イングランドのトウィッケナムで、若くして死んだアニメーターと、必死で働く母の間の息子として育ったシーウェルは、少年時代を髪を突飛な色に染めたり、なれもしないものになろうとして無為に過ごした。 「フーリガンというより、浪費家でナマケモノだったんだ」 鋭い眼識を持った教師が、彼の才能を見出してドラマスクールへの資金を貸した。 そして、学生たちの自主製作劇「Camile」で若い貴族としての役を得、自分の見た目がどのような影響力を持つのか知ったのだった。 これまでに彼は何度かホットな役を得ている。 最初は1993年、トム・ストッパードの舞台「Arcadia」における、先々隠者となるセプティマスの役だったが、この役を勝ち得るために彼は何人かの有名なライバルたちを下したのだった。 「Rock 'N' Roll」の話が来たとき、 「ルーファスは我々にとって第一条件だった」 と、ストッパードは言った。 ストッパードにしてみれば、この舞台はいろいろな意味を持っている。音楽、愛、裏切り、そして狂信者と反抗者両者の中での共産主義の腐敗の問題を含んでいる。 25年間の緩慢な年月の喪失を耐えるジャンとして、シーウェルはそこで単に中年になるというだけでなく、人生において勝ち取ったもの全てを見せなければならない。 「劇の最後の部分では、50歳くらいなんだけれど、 むしろ彼は動揺しやすくなっているんだ。本当に胸を打つよ」 と、ストッパードは語った。 シーウェルの準備活動について、彼はこういう。 「彼は静かに、ずっと一人で考え続けていた」 シーウェルはロマンチック・ヒーローとしての自分に対抗する活動を「Arcadia」終了直後という、キャリアの中でも早い時期に始めている。 彼はスクリーンでも成功を収めた。 英国のテレビミニシリーズ「Middlemarch」ではセクシーで頭の切れる理想主義者ウィル・ラディスロウを、「Cold Comfort Farm」では野暮ったい口下手なセス・スターカッダーを演じた。 ごく最近では、BBCのミニシリーズ「CharlesⅡ:Power and Passion」で心理的に多様な面を持つ君主を完璧に演じている。 「The Illusionist」の主役は謎めいたマジシャンであなどりがたい対抗者を演じるエドワード・ノートンだが、そのことはシーウェルの性格の反映として明らかになる。 シーウェルは非常に知性的で恐ろしく悪魔的な皇太子レオポルドを演じることに同意した。 キャラクターに好奇心をそそられたためだが、またいつもの悪役だと思われるのではないかと焦燥も感じたということだ。 「そしてその後、彼が本当に悪人だったのかどうか、などなどなどのことについて議論をしたんだ」 と、シーウェルはバーガーについて話しているときにそう言った。 「でも僕としては、レオポルドは実際はとても複雑で、悲しいキャラクターだと思うんだ」 ハリウッドは実際のところシーウェルの好みに合っていたことは一度もないが、数年前に彼は妻と一緒にロサンゼルスに住んだことがある。 2人は以後別居しているが、 彼らの間には4歳の息子ビリーがいる。 彼らはかつてロック・ハドソンのものであったと云われている、サンセット・ブルーバードの家を借りて住んでいた。 そこに到着した2週間後、彼は「CharlesⅡ」のキャストの話を受け、撮影のためにヨーロッパに戻らなければならなかった。 「CD3枚とスカーフをしまうだけのために、ずいぶん高い家賃を払ったものだよ」 と彼は言った。 それだけでなく、ハリウッドで大きい役を得るチャンスはじきにやってきた。 「いつも気分が変わるという自分の性格は承知しているよ」 ハリウッドでの成功のために妥協をするということを彼は望んでいないが、役を選ぶ自由があるというのは大好きだ、と彼は言っている。 「たまたま当てられた機会で、たった3回くらいほめられただけ」 と、頭上に輝く栄冠について彼は主張しているが、シーウェルはこの虚飾の多い芸能界において、実に謙虚である。 もし彼が自分の生活のことを忘れてしまったとしても、息子のビリーが父親についてなんといったかを思い出すことができる。 シーウェルはそのとき、「レジェンド・オブ・ゾロ」の撮影をしていた。 そしてビリーはこう説明したのだ。 「パパはおまるの練習させるんだ。それで、ゾロっていう友達がいるんだよ」 以上です。 一気に訳しました。 ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。お疲れ様でした。 疲れてお腹がすきました。。。 何か甘いものでも食べてこようっと。 追記: 入力・変換ミスがいっぱいあったので、直しておきました。 恥かしいったら・・・。 (まだあるかも。)
by mifuyusasa2
| 2006-08-23 15:37
| Rufus Interview
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ルーファス・シーウェル関係
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